こんにちは。eBay家庭教師の鈴木です。
eBay出品向けの商品は、できるだけ、キレイで、付属品が揃っている方が良いです。
しかしながら、そこばかりにこだわりを持っていると、なかなか仕入れが進みません。
以前、筆者は、中古レコードの仕入れ基準として、
「帯や解説書、付録など、すべて揃った完品でないと仕入れない」としていました。
これがプロフェッショナルな仕入れであり、セラーであると考えていたからです。
こだわりはとても大切ですが、本当に大切なのは
「世の中のニーズ、要はバイヤーが欲しがっている商品を出品する、または察知して出品する」
ことなのです。
今日は、「完品じゃなくてもニーズはある」というテーマについて、解説をしていきます。
「完品じゃないとバイヤーさまに失礼」と思われている方がいたら、非常にもったいないです。
例えば、レコードやCDなどで、「帯がない」「付属品がない」という理由で、
仕入れが全く進まない、仕入れたとしても、瑕疵があるから出品しない、といった事です。
このようにお思いでしたら、今一度、eBayのSold listingsで落札履歴を見て下さい。
こちらは、eBayで大変人気のあるキッスの「地獄の全貌」という3枚組のレコードです。
帯やステッカーなどの付属品が揃った、いわゆる完品は送料を含めて$200を超えています。
では、付属品が揃っていないものは、送料込みで約$70と、3分の1程度の価格となっています。
この結果を見て頂ければ、完品でないものはニーズがない、ということではないことが理解できます。
ヤフオクの取引履歴を見てみると、完品はそれなりの値段で取引されていますが、
完品でないものは、かなり安価で仕入れが可能なことが分かります。
また、完品は、当然ながら出品数は少なく、完品でないもののほうが圧倒的に出品数があります。
完品は入札数も多いため、競争が激しいことが分かりますが、
完品でないものは比較的簡単に入手できることが分かります。
「バイヤーさまには失礼な商品を提供したくない」という気持ちは分かるのですが、
実際に、完品でなくてもニーズがある、という事は、実は逆行した考え方なのです。
要は、ある意味、「完品を売りたい」というのは、
ある意味「セラーの自己満足」の世界で、世の中のニーズとは全く別物と考えるべきなのです。
では、完品ではない商品をどんな人が欲しがるのかを想像してみましょう。
まずは、「完品でなくて良いから、安価で商品が欲しい」というニーズです。
マニア目線だと気づきにくいのですが、マーケットには、
完品にこだわっているバイヤーばかりではない、という事です。
次に、マニア目線で考えると、
「元々完品を持っていたが、ジャケットを傷めてしまった、レコードにキズを付けてしまった」ので、
一部だけ欲しい、というニーズです。
更に、バイヤーは必ずしもエンドユーザーではない、という事です。
要は業者が仕入れ目的だったり、パーツ取りのようなニーズも存在します。
商品に対するこだわりはもちろん大事なのですが、
是非、自分視点とか、自分のこだわりではなく、
eBayのSold listings=販売履歴を素直に受け入れて、
商品を準備することが、利益を確保することに繋がるのです。
いわゆる「パーツ取り」は、家電製品や時計の世界において、
ジャンク品を集めて、パーツを取り出し、修理して高く売る、というのは常識です。
実は、レコードやCD、コレクター向けのおもちゃなど、あらゆるジャンルで存在するのです。
CDやレコード、懐ゲー(PCエンジンやセガサターンなどのレトロゲーム)のソフトで、
帯だけでも、数万円という、異常に高い金額で取引されていることもあります。
恐ろしい値段ですよね(苦笑)
需要は2通りあります。
1つ目は、「帯をなくしてしまった」「帯を破損してしまった」「帯なしを中古で手に入れた」など、
帯なしCDを所有しているユーザーが「完品」にして所有欲を満たす、という需要です。
2つ目は、帯なしCDを「完品」にして高く販売するという需要です。
正に、家電や時計の発想と全く同じと言えますね。
筆者もCDの帯だけを10,000円で販売したことがあります。
ちなみに、そのCDの帯なしの相場は、12,000円位、帯付の完品ですと35,000円位です。
先程の帯のみ10,000円+帯なしCD 12,000円を組み合わせると22,000円ですので、
完品にして、再度出品すれば、10,000円くらいの利益が出る、という事です。
eBayでの販売において、その仕組に慣れてくると、取扱商品に対する知識や技術が深まり、
より専門性を持った商品選定、出品、取引を臨みたくなります。
考え方はとても良いのですが、今回のように「完品じゃないと仕入れない、売らない」といったこだわりは、
実際のマーケットのニーズとズレていく可能性もあります。いわゆる「自己満足」の世界です。
常にマーケットを客観的に見れるよう、eBayのSold listingsをマメにチェックして行くことが大切です。