こんにちは。eBay家庭教師の鈴木です。
こちらの記事では、eBayにおけるFree Return(返送料無料)のメリットについて、解説を致しました。「eBayバイヤーの安心度が向上することで、eBayマーケット全体の売上が上がる」というeBayの考え方には、「60日間のFree Returnの設定で、コンバージョン数は34%向上する」という具体的な根拠も示されております。
ところで、日本における昭和の時代は、お店に「返品お断り!!」というような貼り紙がデカデカと貼られているのは当たり前の光景でした。現在では「返品は、レシート持参の上、◯◯日以内にお願いします」と、原則受け入れる事がほとんどです。そういう波がEコマースにも訪れている、ということです。
しかしながら、「Free Returnなんてとんでもない!!」と考える、eBayのセラーも沢山存在します。今日は、eBayが提唱するFree returnのデメリットについて、解説をしてまいります。
eBayセラーの交流の場である「eBayコミュニティ」には、Free Returnに対する様々な意見が書き込まれています。その中から、Free Returnに対するデメリットと思われる意見を紹介していきます。
返品規定の強化や、別々のセラーの同一商品を一纏めにしてしまうような方法論は、セラーを傷めつけるだけ。アマゾンと差別化してこそ、eBayにバイヤーが集まってくるのでは?という事です。eBayカタログの充実化はいいのですが、アマゾンと同質化してしまうようだと、本末転倒です。逆に、eBayカタログにとらわれないヴィンテージ商品を中心に扱う事で、eBay内でも独自性が保てますね。実際、アンティーク/ヴィンテージを専門に扱うセラーは、「返品は不可なので、当然Free returnもない。我々の業界では当たり前のこと。」と言っています。同じ商品がかぶることはないので、検索順位云々も関係ない、という事です。
これはちょっと極端な書き込みですね。中身をすり替えたり、商品の一部を抜き取り返品するというのは、Free Return以前の話で、ポリシー違反であり、犯罪です。
Free Returnを「何でもかんでもセラー持ち?」と勘違いされている方が非常に多いです。商品を返品する際には「到着した時の状態」が、eBayのバイヤーには義務付けられています。外箱、袋、タグ、UPCなどを含む元のパッケージ、コードやリモコンなどのアクセサリー類、取扱説明書や保証書、特典など全てが揃っているかが返品の条件となります。また、CDやDVD、ブルーレイなど、開封してしまったら、新品ではないため、これは返品できません。
httpss://www.ebay.com/help/policies/member-behavior-policies/condition-returned-items-policy?id=4763
また、eBayも、バイヤーのFree returnの乱用を防止するため、そのバイヤーの購入履歴から、制度の乱用をする可能性のあるユーザーの特定と、対象ユーザーの利用制限を含めた罰則措置がとられるとのことです。
もし返品された商品が破損していたり、部品が紛失している場合、セラーは商品価格の50%までバイヤーへの返金額から差し引くことができます。
但し、「商品説明と異なる」というケースやリクエストを上げられてしまった場合は、バイヤーとの話し合い、eBayへの相談となります。
これは、商売と考えると、至極当たり前のことでしょう。ケース/リクエストがエスカレートしてしまい、eBayがセラーにとって不当なジャッジをする場合もあるでしょう。エスカレートする前に何とかする、というのがセラーの責務ではないでしょうか。
このように、eBayセラーにとっては様々なリスクが多すぎると言われていますが、ネット販売をするリスクとリアル店舗を出店するリスクを考えると、ネット販売のリスクはもの凄く少ないです。リアル店舗では、そもそも店舗というハードが必要ですので、莫大な初期費用が発生します。また、盗難や万引きなども少なくありません。
eBayのようなプラットホームがあるからこそ商売ができるという事を認識しましょう。セラーである以上はどこでどんな商売をしても、リスクは必ず存在します。
eBayのFree Returnにおけるデメリットとして、「何でもかんでも返品されるのでは?」という心配が多いようですが、「返品する場合は、商品が届いた時の状態」がバイヤーに義務付けられています。万が一の際は、バイヤーを通報することも可能です。セラーである以上は、様々なリスクがありますが、eBayという恵まれたプラットホームを考えると、小さなリスクでは?と筆者は考えます。