こんにちは。eBay家庭教師の鈴木です。
今日は質問を頂いております。
「以下のメッセージを受け取りました。
Hello,
I’m interested in buying this item for my son in Nigeria,
I will offer you $300.00 for the item and the EMS shipping fee to my son.
I want to send money directly to your bank account.
Please get back to me through
my personal email address: xxxxxxxatmarkgmaildotcom
(訳)
こんにちは。
私はこの商品をナイジェリアにいる息子のために買おうと考えています。
商品とEMS送料で、合計金額300ドルをお支払いたします。
私はあなたの銀行口座に直接送金したい。
私のメールアドレスに連絡をください。
※eBay上のメッセージは、メールアドレスの記載を感知すると、その部分は削除されます。この場合は、感知されないよう、@をatmark、gmail.comをgmaildotcomと表現しています。
この商品は、Free shippingで50ドルで出品しています。値下げな交渉なら分かるのですが、なぜ6倍も払いたいのかが分かりません。」
回答致します。これは「ナイジェリア詐欺」です(笑)今日は、この手の詐欺についてと、その対処方法について解説します。
日本貿易振興機構(ジェトロ)に寄せられる詐欺相談の中で、最も多いものが、このナイジェリア詐欺(Nigerian scam)です。ナイジェリア刑法419条に抵触する犯罪であることから、419詐欺(419 scam)とも呼ばれています。
※日本貿易振興機構(ジェトロ)=海外ビジネス情報の提供、中堅・中小企業等の海外展開支援、対日投資の促進などに取り組んでいる独立行政法人
ナイジェリア詐欺は、元々、「海外の政府関係者・軍の高官やその親戚を名乗る人物」が「企業オーナーなど、それなりの地位のある個人」から、金品を騙し取ろうとする手口です。「賄賂や資金流用、遺産相続等で得た秘密資金の送金のために、貴方の銀行口座を貸してほしい。謝礼として、資金の一部を渡す」といった旨の内容が持ちかけられます。そして、その手数料や口座確認のため、等と称して、言葉巧みに送金をさせようとします。いわゆる、先払いをさせるAdvance-fee scam(先払い詐欺)の一種です。
1980年代のナイジェリア詐欺というのは、前述の「それなりの地位のある個人」が対象でした。しかしながら、2000年代以降は、インターネット、電子メールの発達に伴い、不特定多数の一般人に対しての詐欺が急増していきました。
今回の相談は、eBayの即決価格に対して、「希望購入価格が3倍であった」「銀行への送金を希望している」「発送先はナイジェリアである」という点から、確実に詐欺への入口と言えます。
これを続けてしまうと、「あなたの口座を確認するにあたり、一旦、あなたの口座からこちらの口座へ◯◯ドルを送金をしてほしい。こちらから送金をする際に、全額返金するので安心してほしい」などという連絡が入ります。送金手数料などと言ってくる場合もあります。送金したら、その後は、間違いなく、連絡は途絶えて島します。
ナイジェリアの善良な方には大変失礼なのですが、「ナイジェリア」と出たら、まず詐欺と考えて下さい。最近は、余りにナイジェリアの印象が悪いため、別の国を騙る場合もあります。よって、いきなり直接取引を持ちかけられた、相場を逸脱した高い希望価格であれば、まず、詐欺と考えて下さい。以下の通り、正攻法で、お断りします。
・eBay外での直接取引はeBayのポリシーに違反しますので、eBay内での取引を依頼
・eBay/PayPalに登録されている住所への発送は可能である。
念のため、eBayの「Report buyer」にて、eBayに予め通報しておく事も良い方法です。
eBayにおける詐欺行為は、評価の低い=経験値の低い初心者セラーが狙われます。「高く買ってくれる」という事で、うっかり相手の要求通りにしてしまうケースがある事から、この手の詐欺は減っていきません。更に、eBayが直接取引の形跡を発見した場合、あなた自身のアカウントもサスペンドを受ける可能性があります。このような場合は、必ず正攻法で、eBayのポリシーに則った取引対応を行いましょう。